. . . Amer . . .
Thanks! 夕焼け空様


第22話
トリス「フリップ様 意識を取り戻したみたいよ」
アメル「よかった・・・」
トリス「でも、どうしてアメルが助けたこと隠しちゃうわけ?
ふらふらになるまで癒しの力を使ったのにどうして・・・」
アメル「あの人のためにはそれが一番だからです
それに、あたしが好きでやったことだし」
トリス「ねえ、アメル・・・ あなたはどうしてそんなに優しいの?
聖女だから? それとも、天使の生まれ変わりだから?」
アメル「ううん・・・ トリス
あたしはただ 自分のもらったものをわけているだけです
周りの人たちがあたしにくれる優しさ それがあったかくてとてもうれしいから
みんなに同じ気持ちを感じてほしいんです
独り占めにしちゃうよりも、そのほうがずっと素敵だもの」
トリス「アメル・・・」
アメル「あたし、やっぱり人間が大好きです
奪ってばかりだってレイムさんは言っていたけれど
与えることだって ちゃんと知っています だって・・・
トリス 貴女が、たくさんのあったかい気持ちを与えてくれたから
あたしは今、こうしてここにいることができるんですもの
ありがとうございます」
トリス「そ、そんな・・・っ お礼だなんて、なんか照れくさいよぉ!?」
アメル「・・・・・・」


ED

戦いは終わった・・・
源罪の嵐によってリィンバウムに混乱と破壊をもたらそうとしたメルギトスの最後の企みは
彼女の命がけの行動によって完全に潰えたのだ・・・
禁忌の森に隠されていた忌まわしき召喚兵器たちは永遠に抹消されて
そこには、今・・・一本の巨木がそびえている
聖なる大樹
人々が、その樹のことをそう呼ぶようになってから
二度めの季節が・・・巡ろうとしていた・・・

〜聖地の森〜
ネスティ「・・・トリス?
まったく・・・! さっきから何回呼んだと思ってるんだ」
トリス「ごめん、ごめん・・・」
ネスティ「まあ、今日に限っては仕方がないがな
アメルのこと 考えていたんだろう」
トリス「うん・・・」
ネスティ「メルギトスは滅び去り 戦いの爪跡も、すでに消えつつある・・・
だが、僕たちの戦いはまだ終わってはいない あの日から、ずっと続いている・・・」
トリス「あの日の今日・・・ アメルはいなくなってしまったんだよね
笑顔のまま・・・ 永遠に・・・」
ネスティ「トリス・・・
望みを捨てるな! そのために、僕たちはここにいるんだろ!
彼女を助ける方法は必ず、あるはずなんだ きっと・・・!
それに、今日はみんなが彼女に会いに来る日でもあるんだぞ
しっかりするんだ」
トリス「うん・・・ わかってるよ わかってはいるんだよ だけどね・・・
でもね・・・っ」
ネスティ「まだ、すこし時間があるな・・・
一足先に・・・ 彼女に挨拶をしに行くか?」
トリス「え・・・」
ネスティ「そんな、沈んだ顔のままでは、みんなに余計な心配をかけるだけだからな
アメルと会って・・・ 叱ってもらってこい」
トリス「うん・・・」

ネスティ「早いものだな・・・
あれから、もう季節がふたつも巡っていったなんて・・・」
トリス「聖なる大樹・・・
この樹がアメルだって知っているのは、多分あたしたちだけ・・・
あの時から、ずっと邪悪な魔力を吸収して浄化し続けているのも」
ネスティ「だからこそ・・・
僕たちはこの樹の いや、彼女の護人になったんだ・・・
いつか、この樹の中で眠っている彼女が目覚めるのを信じて」
トリス「あははは・・・っ 起きるかどうかさえもわかってないのにね」
ネスティ「不甲斐ないな・・・
これだけの月日を使って、調べているというのに・・・
手がかりさえも・・・ つかめずに・・・ッ」
トリス「ネス・・・?
ごめん、あたし・・・ 自分一人だけ、勝手に悲しんでると思って
ネスの気持ち・・・ 考えてなかった ひどいことしてた!?」
ネスティ「いいんだ・・・ それよりも・・・
笑ってあげなくちゃな 彼女のために・・・
僕たちは、笑っていなくちゃいけない
彼女の分まで、幸せにならなくちゃ・・・」
トリス「うん・・・ そうだよね・・・」

アメル、聞こえる?
あなたの愛した世界は今もこうして息づいてる
相変わらず、あたしたちは不器用な生き方しかできないみたいだけど・・・
でも、あなたは言ったよね
人間は自分自身の力だけで変われるんだって・・・
そんな人間のことが愛しいって・・・
だから、あたしも信じるわ
いつかきっと・・・誰も悲しまずにすむ未来がこの世界におとずれるって
だから・・・ずっと、ずっとこの場所から、あたしたちを見守っていてね
ねえ アメル・・・

ネスティ「そろそろ戻ろう みんなも、じきに集まってくるだろうし
レシィだけに応対させておいたら心配だからな」
トリス「ええ、それじゃ・・・」

いるよ・・・

トリス「(えっ?)」

ここに・・・ ここに、いるよ

ネスティ「どうしたんだ?」
トリス「この声は・・・ まさか・・・っ? アメルっ!」
ネスティ「トリスっ! どこへ行くんだ!?」

トリス「アメル・・・っ!!」
ネスティ「そんな・・・ 信じられない・・・
僕まで・・・ 幻を見ているとでもいうのか・・・!?」
トリス「幻じゃないわよ!! アメルは・・・っ 帰ってきてくれたのよ
あたしとした 約束のために 帰ってきたのよ!」
アメル「ん・・・っ ふぁ、あ・・・っ」
トリス「アメルっ」
アメル「あ・・・っ トリス・・・ おはようございます」
トリス「お、おはよう・・・っ」
アメル「あたし、ちょっと寝坊しちゃったみたいですね・・・
お腹すいてるでしょ? ごめんね、すぐにご飯の用意しますから」
トリス「い、いいのよっ 今、あたし・・・っ
胸がいっぱいだからっ いいの・・・っ!」
アメル「どうしたんですか? なにか、悲しいことがあったんですか?」
トリス「アメル・・・っ!!」
アメル「あ・・・っ い、痛いですってば トリス」
トリス「アメルなのね・・・っ 本当に、ホントにっ アメルなのね・・・っ」
アメル「ええ、そうです・・・ あたし・・・ アメルですよ・・・
だから・・・ もう、泣かないで
あたしの大好きな貴女の笑顔を、見せてください・・・ね」
トリス「うん・・・っ」
アメル「他のみなさんは?」
トリス「もうすぐ、会えるわ すぐに・・・
ずっと、アメルのこと みんなも待ってたんだから」
アメル「大変!それじゃあ お出迎えの準備をしないと・・・
手伝ってくれますか? トリス」
トリス「ええ、もちろんよ!」
アメル「それじゃあ、急いで戻りましょう」
トリス「あっ、アメル!」
アメル「はい・・・」
トリス「肝心なこと、あなたに言い忘れてたよ・・・」

おかえり・・・


アメル“天使は舞い降りた”


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